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2001-03-29 (Thu)

満たされ過ぎた気持ち

この日記を始めて、だいぶ経って感じることがあります。
僕の場合、気持ちが完全に満たされてしまうと、書きたいことが何にもなくなるんですよね。ちょっと抽象的だけれど、わかる人にはわかっていただけると思います。

具体例を挙げるのは難しいのだけれど、例えば、ずっと懸案だった仕事で「あぁ、やらなきゃ、やらなきゃ」って考えて、焦ってはいるんですが、ものぐさな僕のことだから、なかなか終わらず、ストレスばかり抱え込む。それがある日、やらなきゃいけないすべてのことをやり終え、焦りや不安が完全に解消されてしまうことが、ごくたまにあります。

そういう時は不思議なもので、日記を書きたくなくなるだけじゃなく、何にもやる気が起こりません。“表現意欲”とか“自己顕示欲”ってのは、きっと気持ちに隙間があるから、それを埋めるために生まれてくるものなのかなって思うんですよ。

僕は特にこのページで書くに当たって、見聞きしたものを、自分の“心”のフィルターに通して書くようにしていているつもりなんですが、完全に満たされてしまうと、その“心”が何も感じようとしないんだと思います。イメージとしては、スポンジが完全に水を含んで、もう何も受け付けませんって感じ。自分の中に、ちょっとくらい“隙間”がないと(“余裕”とはまた違う)、「感じる力」が湧いてこないんですね。

要するに言いたいのは、人間は満たされ過ぎると、それが当たり前になり、「幸せ」と感じることに鈍感になってしまうということ。少しくらい悩みや焦りを持っていたほうが、感受性が鋭くなり、人に対しても優しくなれるんじゃないかということです。

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