久しぶりに外回りの仕事を、半日以上やらせてもらいました。
ずっとデスクワークをしていると煮詰まってしまうので、良い気分転換になるんです。おまけに「宅配便が届くので」と言って、残業もせずに帰らせてもらったし、素敵な金曜日でした。
歌手の倖田來未が「オールナイトニッポン」(NBS)で発言した内容が物議を醸しています。昨夜、彼女がテレビ番組の中で謝罪をしていたことで、今朝から芸能ニュースはこの話題一色。
たしかに「35歳になると羊水が腐る」という発言は、冗談でも言ってはいけない。僕の周りにも35歳を超え、子供を作ろうと考えている夫婦もいるし、母親が35歳以上で生まれたという人もいる。腐った羊水から生まれたなんて言われ様は侮辱以外の何物でもない。デリカシーのかけらも感じられない最低の発言です。
とは言え、この騒ぎに僕は若干の違和感を覚えています。以前、“女は産む機械”と口走り大バッシングを受けた厚労大臣のときも思ったのですが、前後の文脈もきちんと聞いていない人が真意も確かめずにヒステリックに騒いでいる印象が拭えないのです。僕も実際、放送内容は聞いていないし、あれこれと批判できる立場じゃないけれど、冗談のつもりで言ったんだろうなぁってことは想像できます。
だいたい羊水は妊娠して初めてできるもので、ちょっと知識がある人なら「バカなこと言ってるなぁ」で終わることのような気がするんです。要するにそれが公共の電波に乗ってしまったことが問題で、録音なのに放送してしまった番組スタッフにも大いに配慮のなさを感じますよね。
冗談には多かれ少なかれ、何かを揶揄したり卑下することで成り立つ部分があるものです。つまり大小はあれどチクリと胸を痛めている人や物がいるはずなんです。そして最近はその内容がドギツいほどウケる風潮がある。
テレビを見ていても、容姿を侮辱する冗談が横行していますよね。今、パッと浮かんだのがお笑いコンビ“ブラックマヨネーズ”なんですが、片方は頭髪の薄さ、もう片方は顔のあばたをギャグにしています。彼らはそれが笑いになれば良いのだろうけど、一方で頭髪の薄い人やあばたで現に悩んでいる人はどう思う? たとえば、ブサイクを売りにしている芸人。もしその芸人に似てると言われたら、どう思う?
つまり、面白いからと垂れ流しにしている今のテレビやラジオに、今回のことは多くの問題提起をしてくれたんじゃないかと思うのです。
テレビはいろんな人が見ている。悩みやコンプレックスを抱えながら生きている人が大勢見ている。そんな人たちに対する配慮を怠ってはいけないってことだと思います。