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太陽と月に背いて

Total Eclipse

1995 / イギリス、フランス、
ベルギー、イタリア
監督
Agnieszka Holland
出演
Leonardo DiCaprio
David Thewlis
Romane Bohringer
Dominique Blanc

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フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌと、早熟の天才と謳われるアルチュール・ランボー。若き芸術家二人が出会い、ともに過ごした2年間の激しい愛憎を描いた作品。脚本は《危険な関係》のクリストファー・ハンプトンで、彼が学生時代に書いた戯曲を映画化にあたって脚色した。

1871年、16歳のランボー(レオナルド・ディカプリオ)は、詩壇で活躍する新進気鋭のヴェルレーヌ(デヴィッド・シューリス)を頼ってパリに出てきた。ランボーの奔放な人柄と作風に魅了されていくヴェルレーヌは、妻マチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)を捨て、二人でヨーロッパ中を放浪しながら詩作に打ち込む。だが妻への想いも断ち切れず、やがて二人の関係は煮詰まっていく。そして口論の末、ヴェルレーヌはランボーに発砲し、左手に怪我を負わせてしまう――

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この後、ソドミー(同性愛)を理由にヴェルレーヌは投獄され、その間にランボーは詩集「地獄の季節」を完成させ、19歳には筆を折ったと言われる。

どこへ向かっているのか計り知れないランボーと、彼の溌剌とした才能に嫉妬さえ抱き、アブサンに溺れるヴェルレーヌ。そんな別個の二人(太陽と月)の感情と肉体が重なる様を指して、原題の“皆既日食”ということなのだろう。僕としては、とくにランボーの気持ちにとらえどころが見出せず、最後まで入り込めなかった。劇中で詩が吟じられる場面はほとんどなかったが、彼らの作品を前面に出して絡ませたら、どうなったであろう。

レオナルド・ディカプリオが驚くべき演技を見せた。《ギルバート・グレイプ》で見せた天才は、この映画でもただただ感心するばかり。しかも出てきた瞬間から、20歳そこそことは思えない色香を振りまく。デヴィッド・シューリスも(27歳には見えないが)遺憾なく実力を発揮して、二人の演技のやりとりが本作最大の見どころ。ロマーヌ・ボーランジェの白痴美も役にピッタリ。惜しげもなく披露した裸体がまた美しいのなんのって。

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