2001-07-13 (Fri)
ちゅらさん
昨夜の“なんちゃって沖縄弁”の蔓延は、もちろん現在放送している朝の連続ドラマ小説「ちゅらさん」の影響大に決まっています。
まだ訪れたことのない僕がイメージする沖縄は、近くて遠い「国」。太古からの琉球文化の影響が色濃く残り、他方で日本全体の75%を占める施設が集中している米軍基地の存在もまた、沖縄が独特のエキゾティシズムを感じさせる要因の一つでありましょう。ひたすら暑くて、湿気が多く、人はなおゆったりとおおらかで、ドラマの登場人物そのままに、嬉しいことがあると歌って踊り出す。そんな独特な風土が、沖縄という「国」のイメージです。
沖縄、南方系の俳優を多く起用しているのが素晴らしい。
何しろ、ヒロインの国仲涼子の自然なこと。根っから陽性のキャラクターは、沖縄出身の彼女自身から滲み出るものに負うところも大きいと思います。
弟役の山田孝之、兄貴役のガレッジセールのゴリと、そして誰より、おばぁ役の平良とみが情緒たっぷりに沖縄弁で怪演(?)しています。
沖縄出身ではないですが、両親役に田中好子、堺正章というベテランを据え、古波蔵家の――家族というものの温かさ、尊さがドラマの核となって物語が展開されていく。破天荒なヒロインと、それを取り巻く人々との心のつながりもまた、ドラマという虚構と否定しつつ、人間関係が希薄な今日において、だからこそ大袈裟に描いているのだろう。
家族、友人、恋人、同僚 etc... そんな人と人との結び付きの大切さを改めて思い起こさせてくれるドラマです。
今さら引き合いに出しては何ですが、前作の「オードリー」が酷かっただけに、今回こそは朝に元気をもらえるような、そして沖縄が身近に感じられる楽しいドラマを期待しています。