2000-11-11 (Sat)
ニュース雑感
ここ数日、上高森遺跡などで発掘された石器が捏造だというニュースが世間を賑わしています。
これって日本にとって、近年稀にみるスキャンダルだと思うんですよね。だって、歴史の教科書にもすでに記述が成されているそうで、世界的にも人類学的にも、すごく重要な大発見であるはずのものが、真っ赤な嘘だったと言うのだから、唖然ですよ。
藤村新一という人は、考古学の世界ではかなり名うての人物だったんでしょ? だからなおのこと、彼がやったことによる打撃は、計り知れないものがあるに違いありません。
結構な数の発掘に携わっているだろうし、その一つ一つのどれが本物でどれが捏造なのか、どうやって検証するんでしょうか。張本人に吐かせるんですか? それだって信憑性が問われるだろうし、ひいては日本の考古学全体の信憑性にも関わってくるはずです。
なんかね、僕もガッカリしました。もっと言うと、世の中で起こっていることの、何が本当で何が嘘なのかわからなくなってきますよね。テレビや新聞から伝えられる情報の一体何を信じたらいいのか、どこまで疑わないといけないのか。
海の向こうではアメリカ大統領選が泥沼化しています。
民主党候補のアル・ゴア氏と共和党候補のジョージ・ブッシュ氏。裏を返せば、どちらも圧倒的な支持率を取れないから、接戦になっているとも言えます。つまり、絶対的なカリスマがどちらにもないんですね。
だけど、今の日本からすると、ある意味、羨ましくもあります。現在は連立与党ながら、戦後、一度も政権が交替したことがなく、無秩序とも言える国会での法案の決まり方を見ていると、政治にきちんと民意が反映されているのか、つまり民主主義の根幹である選挙は、役割を果たしてるのかって疑問を持たずにはいられないわけです。
日本人にはわかりにくい選挙人制度ということで、民意の反映という意味で、どのくらいしっかりした制度なのかは正直知りませんが、アメリカのほうがまだ良いのかな、ってね。
まあ、どちらが大統領になるか決まるには、まだしばらく掛かるそうですよ。大変だわ。