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2000-09-13 (Wed)

唯物論と愛

今日は、とある講座を聞きに水道橋へ。講座の内容は主に経済学のことなんですが、本題に入る前に経済の前提として、哲学における「観念論」と「唯物論」の話がありました。

ちょこっと講義を受けただけの受け売りなので、僕なりのおおまかな解釈なんだけど・・・
観念論」とは、物事のすべては人間の意識の中で起こっていることで、つまり観念的な物(精神、神など)こそが根源なのだとする理論。
デカルトの「我思う、ゆえに我在り」ってやつですね。
唯物論」とは、すべてこの世界の根源は物質であるとする立場。現代の科学はほとんどすべて、この立場に立った研究が進められているので、僕らにはこちらの論理のほうが納得しやすいですね。
経済学とは、このうち「唯物論」――つまり“物質ありき”の立場に立った考え方で科学的に解明していくものなのだそうです。

講座を聞いていると、分子とか原子というレベルまで解明されている現代にあって、「唯物論」という考え方は納得させられる部分が多いし、何だか絶対的に正しいとさえ思えてきます。
だけど、だけどですよ。世の中には「唯物論」だけではどうしても説明の付かないものってあるんじゃないかと思うんですよね。それは「愛」。愛おしいという気持ち。男女の愛だけでなく、親子、家族、友人に対して抱く感情。

経済とは全然関係ないし、「愛」ってもちろん観念的なものだから、「唯物論」で説明をしようとすること自体がナンセンスなのだろうけど、精神的なもの、神秘的なものをすべて否定していくと、「愛」とは存在しないということになります。
「そこに愛はあるのかい?」なんて、「ひとつ屋根の下」の江口洋介の台詞じゃないけれど、「唯物論」では否定されるのです。「愛」はないんです。
でも、それは「真理」ではないと、僕は信じたいんですよ。「愛」はあると信じたいんです。人間社会において「愛」って根元的で、不可欠なものだと思うから。

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