2010-04-24 (Sat)
パクられるのはステータスがあればこそ
他人の物を盗んだり、無断で使ったり取ったりすることを、俗に“パクる”と表現しますが、芸術の分野においては盗作(他者の作品の真似、手法の流用)を“パクリ”と使うことがあります。
まもなく開催される上海国際博覧会。そのPRソング『2010等你来』という曲が、日本のシンガーソングライター岡本真夜の『そのままの君でいて』という楽曲にそっくりだと取り沙汰されていますね。
こういった盗作問題が起こるといつも考えるのですが、パクリと疑われるものの多くは、おそらく本人は紛れもなくオリジナルのつもりで創ったんじゃないかと思うんです。図らずもそれが何かに似ていた、あるいは先人がいただけで。
たとえば小さい頃に見聞きした言葉や音楽が深層心理に刻まれていて、自分のオリジナルのつもりで無意識に使ってしまったというのが正体のような気がします。
“芸術”というのは大抵そうしたもので、必ず何かから影響を受けていて、そこにどれだけオリジナリティをねじ込むかが、アーティストの手腕であり使命なのでしょう。
ただ、今回のはヒドい! こういう疑惑は普通「なんか雰囲気が似てるよね?」程度のきわどいものがほとんどなのに、最初から最後まで疑う余地がないほどに完全なパ・ク・リ。と言うか、そのまんま。よくもまあプライドもなく「自分が作った」だなんて言い張れるな、と。
それよか、僕のiPodに『そのままの君でいて』が入っていたのに驚き。一度も聴いたことなかったかも。今回の騒動で岡本真夜は、ダウンロード数が伸びたり、ベストアルバムの問い合わせが殺到したりと、パクられ特需に湧いているそうですね。
手塩に掛けた作品を盗作されるのは、決して気持ちの良いものではないだろうけど、話題作りとしてはパクられるのも有効かも?