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いつものように家路に向かって地下鉄に揺られていると、表参道駅から僕の目の前に、一人の女性が立ちました。一見女子大生風。化粧はそこそこバッチリ。
でもよく見ると、下っ腹がふっくらしている感じ（←ええ、ジロジロ見すぎなのはわかっています）。そしてバッグにはマタニティマークがつけてあるじゃないですか。
えせフェミニストの僕としては、ここは席を譲るしかありません。小さく「座りませんか？」と声を掛けると、こちらが気恥ずかしくなるくらい大きく「あ、どうもありがとうございます」と感謝されました。

そこまでは良かったんです。
電車が渋谷に着くと、隣に座っていたオジサンが下りてしまったんです。ちょうど僕が座れるポジションが空いてしまったの。しかし今、譲るために立ったばかりですよ。譲った女性の隣に再び座るのは、あまりにも気まずい。いくら神経が図太い僕でも、やっぱり気まずい。
で、下りました、渋谷で。
･･･なんか間抜けだよなぁ。だって、はじめから渋谷で下りる予定であれば、わざわざ席を譲ることないわけでしょ？ その子にしてみれば1分、いや数十秒早く座れただけじゃん。恩着せがましい印象だけを残した僕は、間抜け以外の何者でもありません。

さて、下りるつもりもなかった渋谷。「そうだ！ 今日は節分だった」と思い出し、せっかくなので東急フードショーで太巻寿司を買って帰ることにしましたよ。恵方巻。

節分に恵方を向いて太巻寿司を切らずに無言で食べれば吉となるそうですが、初めて聞いたときから恵方って誰が決めてるの？と疑問に思っていたんです。そしたら今日買った寿司の包装紙に、恵方とは「歳徳神の在する方位」と書いてありました。よくわかりませんが、誰かが毎年決めてるんじゃなくて、昔からの決まり事のようですね。
恵方巻、切らずに食うのはあまりにもヘヴィーだったので、半分にしときました。