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2010-01-08 (Fri)

処世の心得と思いやり

12月まで一緒に働いていたホッピー好きの元上司が、引継にやって来ると言うので、そのつもりで待っていました。「そのつもり」というのは、もちろん「飲みに行くつもり」ということです。だって金曜日だもの。元上司もそういう心づもりに決まってる。
僕は過去に、同じように引継をした後に飲みに行くつもりでいたら、誰も行ってくれなかったという悲しい経験があるので、たとえ僕一人でもお供しなければならない使命感に燃えていましたよ。自分では義理・人情には薄いドライな人間だと思うのだけれど、世話になった方への義理だけは、できる限り果たす。これが処世の心得だと存じます。

案の定、お付き合いさせていただいたのは僕一人でした。
行き付けた赤提灯に入り、板わさと肉野菜炒め、ポテトサラダを頼み、ひたすらに元上司のこれからの仕事の内容と展望について聞いていました。激務になるのだろうけど、そんなことはおくびにも出さず、面白おかしく話していましたよ。やっぱり懐の大きな人だったんだなぁ。


終電も間近かったので、新御茶ノ水駅を急いで都営新宿線に乗り換えようと歩いていました。すると、向こうの階段を中年男性が転げ落ちてるじゃありませんか。ゴロンゴロンと。
致命的に頭をぶつけたりしてなさそうだったので、僕などは「あ〜あ、酔っ払いが」と心の中でつぶやいていたのだけれど、近くにいた20代と思しき女性が一目散に駆け寄って「大丈夫ですか?」と、体を起こす手助けをしてあげたんです。
感心してしまってね。終電近いのだから、おそらく自分だって急いでいるはずなんです。酔っ払いの自業自得に付き合ってる時間はないだろうに。
側に行くと、オッサンは少し流血しながら「ああ、大丈夫、大丈夫」とよろめいていました。僕もとりあえず偽善ぶって「大丈夫ですか?」と声を掛けてみたけれど、心の底から心配していたわけじゃないのが、その女性と決定的に違うところ。
自分の損得抜きに、他人のことを思いやれる人って素晴らしいなと感じた出来事でした。

彼女、終電には間に合ったのかな? 僕はギリギリ間に合いました。

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