2001-05-07 (Mon)
Otaku
“おたく”という言葉を銘々したのは、「漫画ブリッコ」(1983年6月号)というマイナーな漫画誌に寄せた中森明夫のコラムが最初とされています。相手のことを「おたくさぁ」などと呼び合う一部のアニメーションファンを指す言葉だったそうです。
発信元は、「超時空要塞マクロス」というアニメーション。
慶應大学出身のお坊ちゃんたち(「スタジオぬえ」)が制作したアニメで、彼らが使用していた言葉遣いが、登場キャラクターに反映されていたのだとか。
ちょっとニヒリスティックで相手との距離を置いたような“おたく”という言葉を、インテリを気取っていた当時のアニメファンたちが見逃すはずはなく、ひいては「相手を“おたく”と呼ぶようなアニメーションなどに精通している根暗なタイプの人」というような蔑称となったわけです。
それをさらにカテゴライズして一般化させたのは、連続殺人事件の容疑者・宮崎勤やタレント(?)の宅八朗(←あの人は今?)あたりでしょうか。
ところが、最近は“おたく”は“マニア”と同義語として使われています。
元々は漫画やアニメ、パソコンなどに限定して使われた言葉でしたが、たとえば「野球オタク」とか「釣りオタク」、「車オタク」などと使われ、“そのことに対して深い知識を持っている”という意味を持ちます。つまり、誰にでも“◯◯オタク”と言えるものが一つや二つあるんですよ。「おまえってオタクだよね」って言われた時は、「ちょっと怖いくらい知識があるよね」というのと同時に、ある種の尊敬の念も込められているんです。
けれど、「おまえってオタクっぽいよね」では意味が違う。これは明らかに、対人関係にやや難があるような元来の“おたく”のイメージっぽいってことですよね。
何か一つ、人より秀でた“オタク的な趣味”を持つって素晴らしいと思うけれど、“オタクっぽい”なんて言われるのだけは避けたいものです。