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二十日鼠と人間

Of Mice and Men

1992 / アメリカ
監督
Gary Sinise
出演
John Malkovich
Gary Sinise
Ray Walston
Casey Siemaszko
Sherilyn Fenn
John Terry
Joe Morton

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1930年、大恐慌時代のカリフォルニア。大柄で怪力のレニー(ジョン・マルコヴィッチ)は精神薄弱で、ネズミや犬を可愛がって撫でていると、つい力が入って殺してしまうような男。そんな彼と長年の相棒であるジョージ(ゲイリー・シニーズ)は、レニーが出稼ぎ先で起こすトラブルをかばい、働き口の農場を転々としている。新しい仕事先のタイラー牧場にやって来た二人。彼らには、金を貯めて小さな牧場を持つという夢があった。その話を聞いた牧場の古株キャンディー(レイ・ウォルストン)は、自分も出資して一緒に牧場をやりたいと言い出し、話は現実味を帯びる。ある日、牧場主の嫁(シェリリン・フェン)が、暇つぶしにレニーに近づく。はじめは警戒していたレニーだが、彼女の柔らかい髪に興味を持ち触り始める。そして、とんでもないことが起こってしまうのだった――

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原作はアメリカのノーベル賞作家ジョン・スタインベックの同名小説。不思議なタイトルは、スコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩「ハツカネズミ」からの引用だとか。戯曲にもなり、ゲイリー・シニーズは舞台版の演出も手掛け、ジョージ役を演じているのだそうだ。それだけ思い入れもあるのだろうが、十二分に成果を発揮している。じっくりと腰を据えた映画の撮り方も見応えがあるし、演技も文句なく素晴らしい。対するジョン・マルコビッチが本当に見事。《危険な関係》でクールなプレイ・ボーイを演じた人とは思えない。純粋で善良なレニーだ。

とても悲しい結末で、しばらくやりきれなかった。日本では精神薄弱状態の場合、罪は問えないが、やっぱり人を殺めるのは罪には違いなくて、そこがせめぎ合うところだ。レニーには悪気はない。ジョージもそれを知っている。でも、誰かの手によって苦しめられるのなら、いっそこの手で・・・。ジョージは、彼がいちばん好きな夢の話をする。見ていて胸の中が掻きむしられるようだった。

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