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イングリッシュ・ペイシェント

The English Patient

1996 / アメリカ
監督
Anthony Minghella
出演
Ralph Fiennes
Juliette Binoche
Willem Dafoe
Kristin Scott Thomas
Naveen Andrews
Colin Firth
Julian Wadham
Jürgen Prochnow
Kevin Whately

第二次世界大戦末期のイタリア。瀕死の大火傷を負った男は、記憶を失い自分の名前さえわからない。“イギリス人患者”と呼ばれ、カナダ人の看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)に爆撃で廃墟となった修道院で看護を受け、徐々に記憶を取り戻す。

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ハンガリーの伯爵家に生まれたアルマシー(レイフ・ファインズ)は、サハラ砂漠で地図作りをしていた。そこへやって来た人妻キャサリン(クリスティン・スコット=トーマス)と恋に落ちる。二人の関係は夫の知るところとなり、悲しい結末を迎える――

原作は、英国ブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェ著の小説「イギリス人の患者」。アカデミー賞9部門を獲得した話題の大作だ。映画は、アルマシーの記憶と、現在のハナや周りに集まる人物たちとの関わりが交互に描かれていくが、圧倒的なのはアルマシーとキャサリンの砂漠での恋だ。エキゾチックでロマンチックでスケール感たっぷり。不倫という関係も、アフリカの大地の前では何でもないことのように二人は求め合う。だが、その激しさゆえ悲劇は起こるべくして起こる。砂漠で燃え尽きるはずだったアルマシーが、記憶を取り戻したところで命を終えるのも必然なのだ。

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激情の二人があまりのインパクトのため、ほかのエピソードは若干印象が薄い。カラバッジョ(ウィレム・デフォー)の復讐、インド人兵キップ(ナヴィーン・アンドリュース)とハナの恋物語。助演女優賞を受賞したのはジュリエット・ビノシュだが、クリスティン・スコット=トーマス(主演女優賞にノミネート)の熱演は忘れがたい。レイフ・ファインズが品性と色香の漂う良い男っぷりだった。

ものすごく余談だが、映画館で別れ際にキャサリンが棒に頭をぶつけるシーンがあるんだけど、あれって単なるハプニング? 演出上どういう意図があるのか謎。場違いで思わず笑っちゃったよ。

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