テルマ&ルイーズ
Thelma & Louise
- 1991 / アメリカ
- 監督
- Ridley Scott
- 出演
- Susan Sarandon
- Geena Davis
- Harvey Keitel
- Michael Madsen
- Christopher McDonald
- Stephen Tobolowsky
- Brad Pitt
ルイーズ・ソウヤー(スーザン・サランドン)は独身のウェイトレス。テルマ・ディキンソン(ジーナ・デイヴィス)は独裁的な夫しか男を知らない世間知らず。二人は週末、知人の別荘に泊まりがけで出かけた。途中、休憩のために立ち寄ったバーで羽目を外しすぎたテルマは、店にいた男に駐車場でレイプされそうになる。駆けつけたルイーズは銃を突き付けるが、懲りずに憎まれ口を叩く男を撃ち殺してしまう――
警察に自首を薦めるテルマだったが、実は過去に似たような経験のあるルイーズは、“被害者が誘った”などと悪者扱いされるのがオチだと、車を走らせる。こうして二人の逃避行が始まるのだ。目指すはメキシコ。アメリカ南部の雄大な景色が圧倒的で素晴らしい。
大してアクション・シーンがあるわけでもないのに、作品全体がとてもタフな印象。出てきたときは軽くおつむが弱い感じだったテルマが見る見る逞しくなっていく。はじめは何もかもを仕切っていたルイーズから、時にはイニシアチブを取ることさえある。この辺の女の変貌は見どころ。スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスが、抜群にハマっている。暗さを引きずることもなく、弾けるように痛快なロード・ムービーだ。
「バカな男は死んでしまえ」と言わんばかりに、下品で女を蔑むような男は成敗されていく。トレーラーを吹っ飛ばしちゃうところなんか、男の僕でも胸がすく。この映画で、唯一こんな男になれってくらい魅力的なのが、ブラッド・ピット演じるJDだ。実際のところ彼も悪者なのだが、女を落としたかったら、品良くワイルドにセクシーに迫れってことだ。マイケル・マドセンも良い線行ってたっけか。