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マレーナ

Malena / Malèna

2000 / イタリア、アメリカ
監督
Giuseppe Tornatore
出演
Monica Bellucci
Giuseppe Sulfaro
Luciano Federico
Matilde Piana
Agnese Nano
Pietro Notarianni
Gaetano Aronica

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1940年、第二次世界大戦開戦直後のシチリア島の漁村カステルクト。12歳のレナート(ジュゼッペ・スルファーロ)は、村一番の美女マレーナ(モニカ・ベルッチ)を知る。彼女の夫は新婚2週間で出征し、村の男たちは残されたマレーナを好奇の目で見ていた。いまだ半ズボンを穿く少年レナートも、頭の中は彼女のことばかり。跡を付け、部屋をのぞき、ついには下着まで盗んでしまう始末。やがて、彼女の夫が戦死したとの知らせ。マレーナは女一人、生きるすべもなく男たちに身を任せる生活を余儀なくされるのだった――

多感な少年の目を通して見た不幸な美女の物語。映画の中でマレーナはほとんど人格を与えられず、美化された偶像、セックス・シンボルとして扱われる。そんな彼女に男たちはメロメロ。女たちは嫉妬でメラメラといった具合。

成熟した年上の女性に憧れる思春期。前半は、レナート少年のある種偏執的とも言える想いをユーモラスに描いていく。ここまでストーカーじみてなくても、似た経験のある人だったら、クスッとすることだろう。

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そして、後半。戦争が終わりに差し掛かる頃、マレーナの人生もどんどん転落していく。だが、彼女に何が起ころうとも、純な気持ちで見守る少年。やがて終戦。なんと彼女は、妬みを募らせた村の女たちにリンチを受ける。レナートは何もできずに見ているだけ。父親一人にさえ抵抗できない非力な少年である。仕方がない。

で・・・・・僕はダメだった、この映画。人間の醜く俗っぽい部分があまりにも露骨に表現されていて、不快にしか感じなかった。陰口を叩く人々の描写もそうだが、やはりリンチのシーンに象徴される。誰一人彼女に手を差し延べない。人ってもっと思いやりがあっても良くないか?

モニカ・ベルッチの存在感がなければ、この映画は成立しなかった。でも、僕はあまりタイプではない。もしかして主演女優がめちゃめちゃタイプだったら見方が違ったのかも。

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