MUSA －武士－
The Warriors / 武士 (무사)
- 2001 / 韓国、中国
- 監督
- 김성수 (Kim Sung-su)
- 出演
- 안성기 (Ahn Sung-ki)
- 정우성 (Jung Woo-sung)
- 주진모 (Ju Jin-mo)
- 章子怡 (Zhang Ziyi)
- 于榮光 (Yu Rongguang)
- 이두일 (Lee Du-il)
- 박용우 (Park Yong-woo)
中国でのオールロケ、制作費50億ウォンという韓国時代劇の超大作。朝鮮語と中国語のやりとりが、通じてるような通じてないような、不思議な感じ。
1375年、元を北に逐い、朱元璋のもと南京を拠点に建国された明。高麗から遣わされた使臣団が、スパイ容疑をかけられ配流となる。流刑地に向かう途中、護送の列が蒙古軍に襲撃され、取り残された高麗の使臣団は故郷へ戻ることを決意する。
その道中、蒙古軍に拉致された朱元璋の娘・芙蓉姫（チャン・ツィイー）と遭遇。彼女を南京に送り届ければ、使臣団の役目を果たせると考えたチェ・ジョン将軍（チュ・ジンモ）は、蒙古軍を襲い王女を救出する。
だが蒙古軍は、姫の奪還のため大群を差し向け、高麗人たちは明の砦に追いつめられてしまう――
残念だったのは、物語の鍵となる姫を守る動機がいまいち釈然としないこと。何の義理があるのか。
逆に良かった（泣かせた）のは、韓国作品に見られる情の厚さが、この映画にも流れていること。それはほんのちょっとした具合である。たとえば、息子を亡くしボケてしまった老婆を世話する男や、身重の妻を残してきた若者が妊娠している女を気に掛けるとか、映画の実質的な主人公である奴隷のヨソル（チョン・ウソン）の厚い忠義心など。これら登場人物の背景を連想させるシーンをちょっと挿入することで、ドラマに奥行きが出るのだ。
そういった人間ドラマを盛り上げるのが見応えある戦闘シーンだ。かなり血みどろで写実的なため、いささかトゥー・マッチに感じることもあったが、作り手の気迫は感じる。
上映時間2時間13分。韓国公開版はさらに20分ほど長いらしい。お目当てチャン・ツィイーはアクションもなく、誇り高きお姫様役。チン・リプ隊正役のアン・ソンギが渋く、チョン・ウソンがすこぶるかっこいい。若い将軍を好演したチュ・ジンモは木村拓哉に見えて仕方なかった。