スネーク・アイズ
Snake Eyes
- 1998 / アメリカ
- 監督
- Brian De Palma
- 出演
- Nicolas Cage
- Gary Sinise
- John Heard
- Carla Gugino
- Stan Shaw
- Kevin Dunn
ハリケーンが吹き荒れるアトランティック・シティ。地元の悪徳警官リチャード・サントーロ（ニコラス・ケイジ）は、旧友のケヴィン・ダン中佐（ゲイリー・シニーズ）の招きで、ボクシングのヘビー級タイトル・マッチを観戦していた。リング上でチャンピオンのタイラー（スタン・ショウ）がKOされたその時、会場にいた国防長官が狙撃される。1万4000人の観客は大混乱。そんな中、タイラーのKOを八百長だと見破ったリックは、控え室で事情を聞くうちに、長官の暗殺が複数犯による計画的陰謀だと知り、捜査に関わっていくことになる――
監督が映像の魔術師ブライアン・デ・パルマとあって、話題はとかく映像に目が向けられがち。たしかにオープニングから10分以上のワン・カット長回しは凄い。それについていく役者からエキストラまで見事に統制されていて、舞台のような興奮。その他、一人称のアングルや俯瞰撮影、分割画面を効果的に使ったりと、どうしても映像表現に関心が行ってしまう。
肝心の物語はと言うと、これがいささか雑駁。違う角度から繰り返し事件の過程を映し、徐々に謎解きをしていく構成は面白いのだが、引っ張ったわりには結構あっさりと全貌を見せてしまうのでやや拍子抜け。解決の仕方もハリケーンのどさくさで都合良く終わってしまう。
ゲイリー・シニーズがちょっと善い人？なんて思いきや、やっぱり黒幕。ケヴィンが犯行に至る理由をご丁寧に説明してくれるが、何か取って付けたようだし、汚職まみれのリックが金で動かない信念も、動機が曖昧で白々しく見える。もう一歩ずつ踏み込んだキャラクターなら、話にもっと厚みが出たと思うのだが。でも出演者は頑張っている。超ハイテンションのニコラス・ケイジは、気持ち悪くも楽しかった。
“スネーク・アイズ”とは賭博用語で、サイコロが1のゾロ目になること。絶対負けない、完全なる勝利という意味だ。