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ブラザーフッド

Tae Guk Gi - The Brotherhood of War / 태극기 휘날리며

2004 / 韓国
監督
강제규 (Kang Je-gyu)
出演
장동건 (Jang Dong-gun)
원빈 (Won Bin)
이은주 (Lee Eun-joo)
공형진 (Gong Hyeong-jin)
이영란 (Lee Young-ran)
전재형 (Jeon Jae-hyoung)
최민식 (Choi Min-sik)

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1950年、ソウル。イ・ジンテ(チャン・ドンゴン)は靴磨きをしながら一家の生計を支え、弟のジンソク(ウォンビン)が大学進学することを願っていた。母親(イ・ヨンナン)とジンテの婚約者ヨンシン(イ・ウンジュ)は食堂を経営。貧しいながらも幸せに過ごしていた矢先の6月25日、朝鮮戦争が勃発し、兄弟は揃って徴兵されていく。高校生の弟をどうにか除隊させたいジンテは、自身が手柄を立てれば良いと悟り、危険な任務さえも自ら買って出る。次第に英雄戦士となっていく兄の姿に違和感を覚えるジンソク。半島各地の戦場を闘い渡る二人の間には、いつしか埋めがたい溝ができてしまうのだった――

物語は、50年後のジンソクが回想する形で始まる。とくに斬新なところはなく、作品全体は戦争映画のセオリーどおり。腕や足、頭が吹っ飛ぶ血生臭い描写など、スピルバーグ監督の《プライベート・ライアン》あたりを意識しているのがわかる。

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とにかく恐ろしかったのが、殺るか殺られるかの兵士同士の殺し合い。目前の一兵士に恨みがあるわけでもないのに、隙を見せれば殺される。人間らしさとは最も対極の行為を強いられるのが戦場だということを、クドいほどに見せつける。ただこういうシーンが延々と続くので、時間が長く感じるのと、物語の頂点がぼやけてしまったのも確か。

涙を誘う場面はやはり兄弟の絆。理解されずとも弟のために鬼畜となるジンテの心情は、冒頭のアイス・キャンディのシーンだけで十分過ぎるほど伝わってくる。さらに兄弟をつなぐ母親と婚約者の二人が良い。イ・ウンジュは儚げな表情が役柄にぴったり。ウォンビンは終始涙目でかえって平坦な芝居に見えることもあったが、チャン・ドンゴンともども鬼気迫る演技だった。原題は“太極旗を翻して”。

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