我が心のオルガン
The Harmonium in My Memory / 내 마음의 풍금
- 1999 / 韓国
- 監督
- 이영재 (Lee Young-jae)
- 出演
- 이병헌 (Lee Byung-hun)
- 이미연 (Lee Mi-yeon)
- 전도연 (Jeon Do-yeon)
- 송옥숙 (Song Ok-suk)
- 전무송 (Jeon Mu-song)
- 서혜린 (Seo Hye-rin)
- 최주봉 (Choi Ju-bong)
1960年代の韓国・江原道の山奥。村の小学校に新任の教師カン・スハ(イ・ビョンホン)が赴任してくる。進級が遅れ、17歳ながらいまだに小学生のホンヨン(チョン・ドヨン)は、スハに恋心を抱く。だが、スハは同僚のヤン・ユンヒ(イ・ミヨン)に片想い。生徒たちは仲睦まじい二人をからかい半分で囃し立てるが、ホンヨンは面白くない。文章もろくに書けない生徒たちは日記をつけるよう課され、ホンヨンは日記にスハへの想いを綴るのだった。やがてユンヒは、許嫁とともに渡米することになり去っていき、スハは意気消沈。なおも教師として日々奮闘していたが、学芸会を間近に控えたある日、生徒の火遊びが元で学校が火事になる。自信を失ったスハは、教師を辞める決意をする――
僕は1972年生まれだが、幼い時の原風景が蘇ってくるようだった。さすがに自分の時代には貧富の差はそこまで激しくなかったが、学校での様子や出来事は日本も韓国もさほど変わりがなくて、懐かしさが込み上げる。
17歳の小学生役を演じたチョン・ドヨンの演技力は特筆に値する。憧れの教師との些細な触れ合いに一喜一憂し、不器用にも募らせる想い。驚くほど巧い。と思ってプロフィールを見たら、なんと1973年生まれ(学年は僕と一緒!)で撮影当時25、6歳。いやはやパッと見も、少し成長の良い小学生(若干宮本信子入ってる気もしたけど)。本当にビックリだ。本編ではヒッチハイクするホンヨンの姿がサラッと映るだけなのだが、割れてしまったコニー・フランシスのLPと、去っていくスハを見つめるラストの表情は出色。主演のイ・ビョンホンは軽く演じていて、コメディ味が良かった。彼もまた21歳の役だった。
監督はこれが本格デビューとなるイ・ヨンジェ。何か特別な主張があるわけでもなく、もう一押ししてもいいかなという場面もサラリと描くのだが、そこが美質だろう。BGMの使い方も僕は好きだ。