マグノリア
Magnolia
- 1999 / アメリカ
- 監督
- Paul Thomas Anderson
- 出演
- Tom Cruise
- Jason Robards
- Julianne Moore
- Philip Seymour Hoffman
- Melinda Dillon
- Philip Baker Hall
- Melora Walters
- John C. Reilly
- Jeremy Blackman
- Michael Bowen
- William H. Macy
ロサンゼルス郊外サン・フェルナンド・バレー。死期が近い老人とその若い妻、セックス教祖として活躍するその息子。クイズ番組で注目される天才少年とその父親、かつての天才クイズ王。癌に冒された番組の司会者とその娘、彼女に恋をする警官・・・といった面々の一日が描かれる群像劇。
この映画は、一回見ただけでは全然つかめなかった。登場人物が多くて状況を把握するのが一仕事な上に、出てくる役者がことごとく熱演するので(そんな中でトム・クルーズはオスカー獲得)見てるだけで疲れる。187分という長尺、結末に至っては意味がわからない、といった諸々の理由で、まず嫌いと思ってしまった。おそらく僕と同じように思う人は多いだろうし、好き嫌いは分かれるはずだ。
だけど・・・嫌いなんだけど、どうしても引っ掛かる。音楽が耳から離れず、何かを見落としているように思えて、もう一度見直すことにした。そこに描かれていたのは、愛に飢えた人々の悲しみだ。不幸の度合いは人によって違う。それぞれが抱えた不幸、悩み、苦しみは最後まで光を見いだすこともなく徹底的に追い込まれていくのだが、もうやりきれないと思った瞬間、誰もが「ええっ!」と驚くであろう奇跡とも偶然とも付かぬ出来事がすべてを集約し、絶望に幾ばくかの癒しが訪れるのだ。決して愉快ではないが、見終えた後には何かホッとする、そんな映画であった。
それにしても蛙が気持ち悪くてねえ。“どんな事でも起こり得る”という前提とは言え、なんで蛙?と思うよね。どんな意味が込められているんだろう? それと、黒人の少年が犯人を暗示するラップが解らなかった。