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パルプ・フィクション

Pulp Fiction

1994 / アメリカ
監督
Quentin Tarantino
出演
John Travolta
Samuel L. Jackson
Uma Thurman
Harvey Keitel
Tim Roth
Amanda Plummer
Maria de Medeiros
Ving Rhames
Bruce Willis

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カンヌ映画祭でパルムドールを獲得したクライム・ムービー。処女作《レザボア・ドッグス》をヒットさせた監督のクエンティン・タランティーノは、本作で一気に世界に名を馳せた。豪華スター競演で、とりわけジョン・トラボルタは'70年代からの復活を遂げた。なんとユマ・サーマンと一緒にツイストまで披露してくれる。

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ロサンゼルス。ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)は、ギャングのマーセルス(ビング・ライムス)を騙したチンピラからスーツケースを取り戻すためにアパートに乗り込む。一方、マーセルスから八百長を持ち掛けられたボクサーのブッチ(ブルース・ウィリス)は、金を受け取るが、試合当日に裏切って相手を負かし、海外へ逃亡を謀る。さらにとあるカフェ・レストランでは、パンプキン(ティム・ロス)とハニー・バニー(アマンダ・プラマー)が強盗を企てていた――

いくつもの話が絡み合い、また時間が前後に交錯しながら進んでいく。そして最後に映画の全貌が見えると、その構成の巧みさに「う~ん」と唸らされてしまうという趣向。おそらく順番どおりに事件を並べたら面白くも何ともないものを、これだけのエンターテインメントに仕立ててしまったのだから、まさに構成力の勝利だ。

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タイトルは“三文小説”という意味。在り物の音楽を効果的且つスタイリッシュに流し、ドライな映像も粋さを演出する。登場人物たちは皆クールで生活感などないのだが、監督の前作同様、物語の進行には直結しないことを、誰も彼もがやたらに喋るので、どことなく体温が感じられる。暴力や麻薬など僕の嫌いなジャンルだが、この陽性の人間臭さが映画の完成度を上げている。

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