ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
Lock, Stock and Two Smoking Barrels
- 1998 / イギリス
- 監督
- Guy Ritchie
- 出演
- Jason Flemyng
- Dexter Fletcher
- Nick Moran
- Jason Statham
- Steven Mackintosh
- Vinnie Jones
- Frank Harper
- P.H. Moriarty
- Vas Blackwood
- Sting
ロンドンの下町。エディ(ニック・モーラン)は一攫千金を狙い、仲間内と蓄えた10万ポンドでカード賭博に挑む。しかしギャングの顔役ハリー(P・H・モリアーティ)のいかさまにハメられ、50万ポンドの借金を背負ってしまう。返済期限は一週間。金策に尽きて困り果てていたところ、隣室に住む悪党ドッグ(フランク・ハーパー)らが大麻を栽培しているウインストン(スティーヴン・マッキントッシュ)からマリワナと現金の強奪を計画していることを知る。エディたちは盗んだ物をそっくり頂こうと計画を練り、脅し用の古い散弾銃を調達。奪ったマリワナを麻薬王ロリー(ヴァス・ブラックウッド)に買い取ってもらう手はずを整えるのだが――
監督のガイ・リッチーはコマーシャルやミュージックビデオを手掛けてきた新進の若手。カメラワークや色遣い、音楽の使い方までとてもスタイリッシュ。しかもヴィジュアルだけでなく、ストーリーは実に練ってあって最後の最後まで良い意味で期待を裏切ってくれる。
麻薬や銃が出てくる犯罪ものだがダークな感じはほとんどなく、タッチは軽妙でコミカル。むしろおバカな四人組の青春ものって感じである。小気味良い下町訛りの会話が繰り出し、物語のテンポも実に良い。出だしは登場人物の紹介に気を取られるが、ちゃんと把握できるように作ってあるし、張り巡らされた伏線が一本につながっていく様は痛快だ。題材が題材なだけに、人の命が軽く扱われてるのがちょっと嫌なのだが、あとは文句の付けようもない。
“lock, stock and barrel”は各々銃の安全装置、銃床、銃身を指し、“一切合切”という意味の成句。“two smoking barrels”は二丁の銃口から煙が漂う様。映画に登場する二丁のクラシックガンに掛けているわけだ。