tuneful.jp

HOME > CINEMA >

初恋のきた道

The Road Home / 我的父親母親

1999 / 中国、アメリカ
監督
張藝謀 (Zhang Yimou)
出演
章子怡 (Zhang Ziyi)
孫紅雷 (Sun Honglei)
鄭昊 (Zheng Hao)
趙玉蓮 (Zhao Yulian)

圧倒的な景色、素朴な人々。初恋のときめき、切なさ。シーンのひとつひとつが素敵な作品だった。

picture

父親の訃報を聞き、故郷に帰るルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)。
伝統に則り人の手で担いで村まで運びたいという母親(チャオ・ユエリン)。ユーシェンは、亡骸を包む布を機織りする母親の姿を見ながら、父親との恋物語を思い出す。

中国北部・三合屯に町からルオ・チャンユー(チョン・ハオ)が教師としてやって来る。村娘のチャオ・ディ(チャン・ツィイー)はルオに一目惚れ。以来、毎日遠くからルオを見つめるディ。
初めて食事に招いた日、心を込めて作った料理を食べてもらい喜ぶディだったが、その直後、文革の波が二人を引き裂いてしまう。ルオが戻ってくると約束した日、ディは吹雪の中を村に通じる道の途中で待ち続けるのだった。ディが倒れたと聞いて駆けつけるルオ。
それから2年後、二人の恋は成就するのだった――

映画を通して見えてきたのは、その“恋の成就”というものの究極の形。それは愛する人を最期まで見届けられること、一生涯連れ添うことができるということ。それを40年という歳月を使って感じさせてくれたのが、抜群に素敵なのだ。
恩師の葬儀に集まる人々。誰に対しても誠実に生きてきた夫婦が忍ばれて、ジーンとしてしまった。さらにユーシェンの授業の場面が、心憎いばかりに涙を誘う。

picture

それにしてもチャン・ツィイーの可愛らしさよ! ストーリーもさることながら、彼女の魅力が作品の大部分を占めていると言っても過言ではない。内に秘めた溢れる恋心をふとした目線や表情で見せる。ルオを追いかけて餃子を落としてしまうシーンは激しくもらい泣き。
ただ残念なのはお相手のチョン・ハオ。声だけで選んだのかなぁ。
《オズの魔法使い》的配色は個人的にはあんまり好きではないのだけれど、画の美しさはさすが。

↑ Top
←Back