トラフィック
Traffic
- 2000 / アメリカ
- 監督
- Steven Soderbergh
- 出演
- Michael Douglas
- Amy Irving
- Erika Christensen
- Benicio Del Toro
- Tomas Milian
- Jacob Vargas
- Clifton Collins Jr.
- Catherine Zeta Jones
- Don Cheadle
- Luis Guzman
- Miguel Ferrer
- Dennis Quaid
- Steven Bauer
アメリカの麻薬戦争を、供給する者、取り締まる者、消費する者、流通させる者などの各方面から描き出す。舞台もカリフォルニアのサンディエゴ、メキシコのティファナ、オハイオのシンシナティの3つで起こる出来事が同時進行していく。イギリスのテレビシリーズを下敷きに約2時間半ほどにまとめ上げ、見応えのある映画だった。
外題の“Traffic”とは「輸送、不正取引」といった意味で、麻薬の流通そのものがテーマだ。
まずパッと目を引くのはスクリーンの色遣い。メキシコは砂っぽい黄色、オハイオは冷めた青、サンディエゴは赤が基調となった画面なのだ。一歩間違えれば批判の的になる手法だと思うが、目まぐるしく進むストーリーを観客に感覚的に解るようにするのに一役買っている。
さらに画面もまた目まぐるしく揺れ動く。ハンディ・カメラでの撮影やジャンプ・カットが多く、作品全体の乾いたタッチと相まって、ドキュメンタリー映画を見ているかのような真実みを帯びる。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズは自らの妊娠を役に生かして(?)の出演。ステイタスを守るために犯罪に手を染めていく覚悟の女は迫力だった。麻薬に溺れていくキャロライン役のエリカ・クリステンセンは若いのに大熱演。彼女がいたからこそマイケル・ダグラスが沈まずに済んだ。本作でアカデミー助演男優賞を獲得したベニチオ・デル・トロは素晴らしい存在感だった。とてもセクシーな俳優だ。