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7月4日に生まれて

Born on the Fourth of July

1989 / アメリカ
監督
Oliver Stone
出演
Tom Cruise
Caroline Kava
Raymond J. Barry
Kyra Sedgwick
Jerry Levine
Frank Whaley
Willem Dafoe

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ロン・コービックの同名小説を脚色、映画化。ほぼノン・フィクションということだ。

1964年7月4日、アメリカ独立記念日にこの世に生を受けたロン・コービック(トム・クルーズ)は、愛国心と信仰の中で少年時代を過ごし、青年になり海兵隊に入隊。ベトナム戦争で負傷し、下半身不随となって帰還する。英雄扱いされる一方、反戦行動が広がりを見せ、不自由な体という現実と戦争に対する自身の考えに悩む。
前線で女子供や味方の若い兵を誤って殺してしまった苦しみから酒と女に溺れ、現実から逃避しようとするが、やがて自身の経験を糧に反戦活動家として立ち上がるのだった――

戦争は誰も幸せにしてくれない。主人公ロンも祖国のためにベトナムに赴くのが当然と思い、何の疑問も持たずに戦争に参加するが、待っていたのは悲惨な現実。つらい戦争をやっとの思いで生き延びても、誰から感謝されるわけでもなく、向けられるのは不自由な体への憐れみ。決して彼が悪いのではなく、もっと大きな力が働いていて、いつの世も若者を戦争に駆り立てるのだ。

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映画のつくりは、見せるところは派手に見せ、汚物や下品な表現を多用しリアリティを強調する。僕は多少抵抗を覚えたが、一度は見て戦争の悲惨さや苦悩を知っておくべきなんだと思う。
誤って殺した若い兵の両親に真実を告げに行く場面はやるせなく、たまらない気持ちになった。

トム・クルーズは撮影当時26、7歳のはず。入魂の演技で単なるハンサム・ガイから演技派へ脱皮した。キーラ・セジウィックはかなり無理があったが、トムは少年そのもの。それが見事に歳を重ねる。ラストは30歳くらいの設定のはずだが、やや老け過ぎか。

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