フォレスト・ガンプ 一期一会
Forrest Gump
- 1994 / アメリカ
- 監督
- Robert Zemeckis
- 出演
- Tom Hanks
- Robin Wright
- Gary Sinise
- Mykelti Williamson
- Sally Field
あの《ショーシャンクの空に》をおさえてオスカーに輝いた作品だが、僕には何だか気の滅入る映画だった。
生まれつき背骨に異常があり、知能も低いフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)。風に漂う羽根のように様々な出来事に出くわす。足が悪いことをからかわれ、いじめられっ子から逃げてばかりいるといつしか駆けっこが人より抜きんでて、脚を買われてフットボール選手になる。大学卒業後、軍隊に入隊しベトナムの前線へ送られるが、そこで出会った親友にエビ採りを教わり、帰国後エビ漁で成功する。幼い頃から“豆と人参”のように慕っていたジェニー(ロビン・ライト)にふられ、彼女を振り切るためにアメリカ大陸を走って横断しているうちに、メディアに取り上げられまた有名に。
こうして30年間のフォレストをアメリカの歴史とともに追っていく。ロバート・ゼメキスの映像マジックは驚くばかりで、ジョン・レノンやケネディ大統領がフォレストと共演してるのだ。彼がアメリカの歴史に少しずつ関わるところなど、アメリカ人が見れば面白いのかも知れないが、正直僕は「ふーん」としか感じなかった。
何よりも、“特別”なフォレストが“特別”な経験をして、成功し幸せを手にするストーリーが不満。平凡じゃいけませんか?ピンポンの才能も何もない人は幸せになれませんか?父親の虐待が大きく心に影を落とすジェニー、戦争で両足を失うダン小隊長。僕には逆立ちしたって真似できない過酷な運命を背負った登場人物たちの誰にも感情移入できない。病気と知ってフォレストに言い寄るジェニーなどは呆れるばかり。
知能は低くとも自分のことをよく知っているフォレストに共感できるところもあったが、彼が語る2時間22分は長く、自分が卑屈になってしまう気がして仕方がなかった。ジョークも笑えない。