タイタニック
Titanic
- 1997 / アメリカ
- 監督
- James Cameron
- 出演
- Leonardo DiCaprio
- Kate Winslet
- Billy Zane
- Kathy Bates
- Bill Paxton
- Gloria Stuart
- Frances Fisher
- Bernard Hill
- Jonathan Hyde
- David Warner
- Victor Garber
まず見終わっての感想は、長い! とにかく長かった。映画を2本分一気に観せられた感覚。ジェームズ・キャメロン渾身の大作だ。
1912年4月14日、北大西洋上でイギリスの豪華客船タイタニック号が巨大氷山と衝突、沈没した。海底に沈む船から引き上げられた金庫には一枚の裸婦の肖像画が。ローズ・カルバート(グロリア・スチュアート)と名乗る101歳の老女は、その絵が自分だと言い、タイタニック号にまつわる思い出話を始める――
ここまで20分。ついに本編という感じでローズ・デウィット・ブケーター(ケイト・ウィンスレット)が登場。良家のお嬢様だが、財産はなく政略結婚目前で、自身の境遇を憂えている。そこへ現れるのがジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)だ。貧乏絵描きだが希望に満ちた溌剌たる青年。この二人が幾つもの弊害を乗り越えて恋に落ちるのが前半。ここまでさらに90分。
そして後半はいよいよ沈没のパニック・シーン。襲いかかる海水と逃げまどう人々。リアリティを追求したキャメロン監督の意気込みはすごい。想像を遙かに超える映像の迫力に驚くばかりだ。ラブ・ストーリーはやや平板だが映像の見事さがそれを補って余りある。とは言え、196分はやはり長い!
主役の二人がとても魅力的。レオナルド・ディカプリオは坊やだと思っていたが、逞しく品もあり、おまけに色気も感じさせた。ケイト・ウィンスレットもヒロインに相応しい華のある女優だ。
ローズが映画の中で逞しく成長していく姿が感動の一翼を担っているのだが、僕がいちばんジーンと来たのは、彼女がホイッスルを吹く場面。生への執念、愛する者との約束。人によって泣き所は様々だろうが、僕は唯一ここで涙がこぼれた。