ジョー・ブラックをよろしく
Meet Joe Black
- 1998 / アメリカ
- 監督
- Martin Brest
- 出演
- Brad Pitt
- Anthony Hopkins
- Claire Forlani
- Jake Weber
- Marcia Gay Harden
- Jeffrey Tambor
- Lois Kelly-Miller
上映時間181分。あまりにも長い。一つ一つのシーンがのたうち回るほど長く、最初から最後までずーっと同じテンポなので、僕のような気短屋さんにはかなり苦痛を伴う映画だった。
大会社の社長ビル・パリッシュ(アンソニー・ホプキンズ)は65歳の誕生日を控えたある晩、奇妙な“声”を聞く。声の主は死に神。人間の世界に興味を持ち、ビルの寿命と引き替えに彼に案内役を依頼するのだった。若い青年の肉体を借りて姿を現した死に神はパリッシュ家の夕食に同席し、ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)という名で家族に紹介される。娘のスーザン(クレア・フォラーニ)はその朝カフェで出会った青年の出現に驚くが、ジョーの不思議な魅力に次第に好意を持つ。
人間の生活を初めて体験するジョーは何をするにも不自然だが、徐々に人生に大事なものが何たるかを学んでいく。そしてビルの誕生パーティー、その時を迎えるのだった――
宗教観が違うのか、僕には死に神に精神的に支配されちゃう感覚が解らない。見知らぬ青年にいきなり「俺は死に神だ、言うことを聞け」などと言われて、よく信じちゃうよな・・・って感じなのだ。
ついでにブルジョア階級が舞台なのが、いささか不快ではある。
アンソニー・ホプキンズは上に立つ者のカリスマと父親の情愛を醸してさすが。会社を乗っ取られそうになるくだりは、この映画唯一の盛り上がりで、最後にジョーが言う“Death and taxes.(死と税金さ)”はウケた。
ブラッド・ピットはあまりにも恣意的な役作り。鬱陶しいほど瞳で芝居をするが、受け入れられれば楽しい。しかも文句なく美しい。3時間たっぷり彼を見られて“ブラッド・ピットをよろしく”とでも言いたくなる作品だ。ともあれ、もう少し端折れなかったものか。