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恋におちたシェークスピア

Shakespeare in Love

1998 / アメリカ
監督
John Madden
出演
Gwyneth Paltrow
Joseph Fiennes
Geoffrey Rush
Judi Dench
Colin Firth
Ben Affleck
Tom Wilkinson
Imelda Staunton
Mark Williams
Joe Roberts
Rupert Everett

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16世紀、ロンドン。若き舞台劇作家ウィル・シェークスピア(ジョセフ・ハインズ)はスランプに陥っていた。
何とか構想が固まった新作のオーディションに、トマス・ケントと名乗る若者がやってくる。彼は実は豪商の娘ヴァイオラ(グウィネス・パルトロウ)の男装した姿。当時、舞台に女性が上がるのは禁止されていたが、彼女は役者志望なのだ。正体を知ったウィルは、ヴァイオラと恋に落ちる。
それからというものウィルの筆は進み、稽古も順調。だがあと少しで幕が開くという時に、トマス・ケントが女性だと役人に発覚してしまう――

まず脚本が魅力的。誰もが知ってる「ロミオとジュリエット」を、シェークスピア自身の恋愛をモチーフに書き上げていくという構成。それをカットバックを使ってテンポ良く見せていくのが巧い。
大立ち回りあり、絢爛豪華な衣装など、見どころも満載。

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だが、僕が感じるいちばんの魅力は、誰もが“お芝居を愛してる”という空気に包まれていることだ。役をもらい数行の台詞を熱心に繰り返す金貸しや、舞台上の役者の熱演に一喜一憂している観客の表情が映し出される。そんな空気感は、僕のような芝居好きをたまらなく高揚させる。言葉が巧く喋れない仕立屋が前口上を語り出すシーンなんて思わず拍手しそうになった。

ジョセフ・ファインズは、程よく色気があるのが良い。グウィネス・パルトロウはとびきりの美人ではないが、ジュリエットで登場する場面は光る。劇場中が彼女を見て一瞬息を呑む演出も抜群。
出番は少ないが強烈な印象を残すジュディ・デンチ。芝居の上演後、客席から一喝して姿を現すところなど、圧倒的な存在感。“Can a play show us the very truth and nature of love?(芝居は真実の恋を描けるか)” 映画など無い時代の庶民の娯楽は、お芝居だったんだよねぇ。

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