2013-01-23 (Wed)
ファントム観るなら
映画《レ・ミゼラブル》の余韻に、今なお浸っております。
近頃はすっかりミュージカルから遠ざかり、熱もやや冷めかけていたかなぁと思っていたのですが、いやいやどうして大復活ですよ。
今日も懲りずにミュージカルの話。
昨日は《オペラ座の怪人》の映画版をこき下ろしてしまいましたけど、もしこの舞台の素晴らしさに触れたいのであれば、映画版ではなく「25周年記念公演 in ロンドン」というソフトを猛烈にお薦めしますね。
1986年に初演された《オペラ座の怪人》は、2011年で25周年を迎え、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで特別記念公演が上演されたんです。
公演の模様は世界各国で衛星生中継され、収録したものはその後に映画館で上映されたりして、僕はおととし偶然日比谷のスカラ座で観たんですが、いやぁ感動しましたねぇ。
ハロルド・プリンスの演出を忠実に生かしながら、ホール・サイズでよりスケールアップされ、さらにはロイヤル・バレエ団のセルゲイ・ポルーニンがゲストで出演するなど、華やかさも折り紙付き。
とりわけ主役の2人が圧倒的で、終盤の鬼気迫るやりとりは鳥肌が立ちました。
怪人役はラミン・カリムルーという舞台俳優さんで、クローズアップで見ると怪人のメイクをしていてもハンサムなのがわかる。もうそれだけで魅力3割増しなんですが、加えて“目”がとても綺麗なので、殺人鬼なのに悪いヤツに見えないんですよ。
ゆえに“顔かたちがこんな風でなければ、クリスティーヌに愛してもらえたかも知れない”と、どっぷり感情移入できるんですよ。そして“すべてはクリスティーヌへの愛のため”という物語の基軸に、深い説得力を与えてくれます。
ラストで怪人がクリスティーヌに口づけされた瞬間、張り詰めた糸が切れるように、僕の目からツツーッと涙が落ちたのを、今でも覚えていますよ。「ファントムはこれだよ」って。
映画版が最初から最後まで良いとこなしだったので、これでようやっと溜飲が下がる思いがしたのでした。これぞミュージカルの最高峰。ぜひ観て欲しい。