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2010-03-16 (Tue)

霞ヶ関駅

昨年の4月に勤務地が上野になり、東京メトロ千代田線を利用することとなって、1年が経とうとしています。
転勤当初から、電車が霞ヶ関駅に近づくと言い知れぬ不快感が頭をよぎったものです。「ここで地下鉄サリン事件が起こったんだ」という。何事もなく毎日通過していく駅だけれど、当時のことを想像し、暗い気持ちに苛まれることがあるんです。

たとえどのような大義名分があろうとも、無差別テロなどという行為は決して許されるものではない。なのになぜ、あのカルト集団はあのような大事件を引き起こしたのだろうか。それによって彼らは何を手に入れたのだろう。手に入ったのは計り知れない憎しみと汚名。絶対に贖うことのできない罪を背負うことになっただけ。なのになぜ?

まず不可解なのは、カルト集団が生まれる仕組み。サリンを作れるほどの知識人をも惹きつけた魅力が、何かあるに違いない。恐ろしいのは、社会的にカルト集団だと認知されているにもかかわらず、それでもなおそこに身を置く者がいるということ。
どんな心の隙間に入り込み、彼らを洗脳していくんだろう。自分も思わぬきっかけで、フッと洗脳されてしまう可能性があるのだろうか。

もしそこに社会的な要因があるのならば、徹底的に因果関係を解明し、無差別テロを起こすような集団が生まれたり、人々がそれに入信することのない健全な世界を作るのが、テロを滅ぼすいちばんの近道なんだと思う。

この20日で、あの大惨事から15年。
近頃は、霞ヶ関駅に近づいても平常でいられたんですが、今朝は少し嫌な気持ちがよみがえりました。あまり思い出したくはないけれど、事件を風化させてはいけないんですよね。

 

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