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2002-01-31 (Thu)

真相の究明はなされず

アフガニスタン復興支援会議からNGO「ピースウィンズ・ジャパン」が排除された問題に端を発した外務省をめぐる今回の騒動は、田中眞紀子外務大臣と野上義二外務次官の更迭という形で小泉首相が収拾を図ることになったようです。

残念ながら真相の解明は棚上げされました。
発端は、「ピースウィンズ・ジャパン」の大西健丞代表にアフガン支援復興会議への参加をさせないよう鈴木宗男氏が外務省に対して圧力を掛けたか掛けないかの問題でした。それに関して野上事務次官が鈴木氏の名前を言った言わないの論議になってしまったわけですが、28日の衆議院予算委員会の中で、重家俊範外務省中東アフリカ局長が「鈴木氏の関与の可能性」もあり得るといったような発言をしたことで、ますます紛糾。そして、大臣、次官の更迭であります。

ここで一つ言えること。
もし鈴木氏が圧力を掛けなかった(本人はそう言っている)のなら、それはいったん参加を拒否された大西氏が嘘を言ってるってことなのでしょうか?
これはちょっと考えにくい。鈴木宗男が何らかの形で関与していなかったら、名前が出てくるはずがないですよね。
野上次官が田中大臣に言ったかどうかよりも、そのほうがよほど問題で、むしろ田中眞紀子は会議へ参加させるよう指示したのでは? それが何を理由にクビなんですか?

僕は彼女が外務大臣に就任するときに、やや辛辣に書きましたが、この9ヶ月間を見てきて、時には拍手を送りたくなることもありました。政治の専門家からすれば「あれ?」と思う節も多いのでしょうが、庶民にもわかりやすく、政治に関心を向けさせる求心力のある人だと思うし、これからも彼女流にやって欲しいです。

結局、小泉首相の一見大胆にも見える解決策は、お得意のパフォーマンスが前面に押し出されただけの茶番劇。真相究明を避けた政府の態度は、内閣の人気を失墜させるでしょう。
この問題はこれで終わりではないと、僕は思います。
それに情けないのは、小泉氏が「涙は女の最大の武器」などと発言することです。これが一国の首相の言うことですか? 女性蔑視もいいところですよ。

 

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