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2回目のすすめ

まったく僕限定の意見かも知れないが、ミュージカルは、初めての時よりも2回目に観た時のほうが楽しめると思うのだ。

初めての作品を観る場合、事前にそれなりの予備知識がないと、内容を理解することに費やしてしまう。ストーリーを追うのに気を取られてせっかくのジョークがわからなかったり、結末や音楽の構成を知らないので、上演時間が長く感じることさえある。その点、2回目の良いところは、すでにある程度内容を理解しており、ナンバーも耳に残っているので、作品を“楽しむ余裕”があることだ。インパクトやドキドキ感は「初めて」にはかなわないけれど、観終わった後の満足感が1回目よりも大きいことが多い。

それが3回、4回と回数を重ねると、今度は細かなところに目が行ってしまい、意外と1回目、2回目を超えるパフォーマンスと思えることがない。こうなってくるとキャストの違いを楽しんだり、細かい演出や役者さんの芝居を楽しんだりと、リピーター特有のディープな見方に陥っていく。

とは言え、高いチケット代を払って2度も観に行く人は、そうはいない。そこで、ミュージカルをあまりご覧になったことのない方に贈る「初めてでも楽しめる方法」

1. 作品の概要、あらすじは知っておこう。
ウェブサイトではよく「ネタバレ注意」などと書いてありますが、サスペンス映画や推理小説じゃないので、たとえ結末を知っても、舞台は楽しめると思います。
2. 座席は“かぶりつき”よりも後方で。
ご贔屓の役者さんを近くで観たいなら“かぶりつき”で良いですが、初めての場合は、やや後ろから舞台全体を観られたほうが良いと思います。ダンス・シーンなど、映画でいう“引き”で観るほうが迫力があります。
3. キャストCDがあれば聞こう。
とくに音楽中心の作品は事前に聴いておくと良いのですが、ミュージカルのサウンド・トラックはなかなか手に入らないので、僕みたいな人が周りにいれば良いですよね。

とにかく毛嫌いせずに1度劇場に足を運んでいただきたい。上記のアドバイスを参考にしていただければ、きっとある程度楽しめるはず。また、同じ公演を2回観るのは難しくても、いずれ再演したときに同じ演目を観る機会があれば、きっとこの文章に納得していただけると思う。

[1999.5.23]

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