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いま、会いにゆきます

Be With You

2004 / 日本
監督
土井 裕泰
出演
竹内 結子
中村 獅童
武井 証
浅利 陽介
平岡 祐太
大塚 ちひろ
市川 実日子
小日向 文世

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秋穂巧(中村獅童)は一年前に最愛の妻を亡くし、小学一年の息子・佑司(武井証)と二人暮らし。佑司は母が残した「一年後の雨の季節にやってくる」という言葉を信じており、巧もそのことを漠然と気に留めていた。やがて梅雨入り。森に出掛けた親子が廃工場で遊んでいると、なんと死んだはずの澪(竹内結子)が本当に現れる。驚きと喜びで声を掛けるが、彼女は記憶がなく、自分の名前すらわからなかった。家に連れて帰り、自分たちのこれまでの事を語り聞かせる巧。記憶は戻らなかったが、三人での暮らしは幸福に包まれ、澪は改めて巧に恋をする。だが6週間後には雨の季節は終わり、澪が去ってしまうことを、巧も佑司も悟っていた。そして澪も、自身が綴った日記からそのことを知るのだった――

市川拓司の同名ベストセラー小説を映画化。ファンタジー、純愛、さらにミステリアスな要素も盛り込み、原作のほのぼのとした雰囲気を損ねることなく作ってあって、映画がヒットしたのも頷ける。でも僕は純粋には感動はできなかった。小説を読んだ時にも感じたことだが、とても残酷な物語に思えて、苦い気持ちになったのだ。それは雨の季節限定の再会ということにある。母親に二度もお別れをしないといけない佑司の小さな胸のうちを考えるとツラすぎる。心ない親戚の言葉で、自分のせいで澪が死んだと思い、「ごめんね」と謝るシーンは堪らなかった。後味が悪くならないようには、まとめてあったけど。

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主人公の巧にはちょっとした不具合がある。脳から化学物質がでたらめに分泌されるために、人混みにいるとパニックを起こし、乗り物に乗ると不安になり、記憶力も悪い。これは原作者の投影なのだそうだ。映画では、説明過剰でないのは良かったが、もう少し深刻な感じがあるとドラマが膨らんだ気がする。

出演者はいずれも好演で、タフなイメージだった中村獅童が思いの外良かった(ちなみに僕の勝手なキャスティングでは草彅剛・・・)。蛇足だが、大塚ちひろちゃんが半年で竹内結子に変身するのは、どうなの? それと中村嘉葎雄はたしか台詞が一つ? せっかくだったら削られたノンブル先生を演って欲しかった。

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