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リバー・ランズ・スルー・イット

A River Runs Through It

1992 / アメリカ
監督
Robert Redford
出演
Craig Sheffer
Brad Pitt
Tom Skerritt
Brenda Blethyn
Emily Lloyd
Stephen Shellen
Joseph Gordon-Levitt

1920年代、モンタナ州ミズーラ。ノーマン(クレイグ・シェーファー)とポール(ブラッド・ピット)のマクリーン兄弟は、牧師でフライ・フィッシング好きの父(トム・スケリット)から、釣りと勉学を教わり成長した。ノーマンは東部の大学に進学し、弟ポールは地元の大学を卒業後、新聞記者をしている。進路を決めかねているノーマンと、酒とポーカー賭博にのめり込むポール。それぞれの道を歩む兄弟だが、ブラックフット川に抱かれながら大好きな釣りをすれば、変わらぬ絆を確かめ合うことができた――

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魚たちが見間違うほどの見事な疑似餌を、本当の虫や小魚のように操ってしとめるフライ・フィッシングは、愛好者にとっては特別なものなのだろう。酔いどれでやって来たガールフレンドの兄ニール(スティーブン・シェレン)が、生き餌の入った缶を持ち出したときの二人の呆れ顔が物語っている。“In Montana, there are three things we're never late for church, work and fishing.(モンタナでは教会と仕事と釣りは時間厳守だ)” 神聖で格調高い「美」の世界なのだ。

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映画の見せ方も、釣りにはこだわりを持って撮っている。とくにポールが終盤で大物をしとめるシーンのスリリングだったこと。だが、その他の兄弟に関するエピソードや対比は、本当にさらりとしか触れない。僕には、そこがいささか物足りなく思った。アカデミー撮影賞を受賞。とりわけアメリカ北部の大自然の美しさは一見の価値がある。それと注目はポール役のブラッド・ピットだ。監督のロバート・レッドフォードの若い頃に似ているとあちこちで囁かれるが、たしかに雰囲気が似ている。

原作はシカゴ大教授ノーマン・マクリーンの自伝的小説「マクリーンの川」で、72歳での処女作だそうだ。劇中のモノローグが多いのは、小説の引用が多いためだろう。

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