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海辺の家

Life as a House

2001 / アメリカ
監督
Irwin Winkler
出演
Kevin Kline
Kristin Scott Thomas
Hayden Christensen
Jena Malone
Jamey Sheridan
Ian Somerhalder
Mary Steenburgen

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建築デザイナーのジョージ・モンロー(ケヴィン・クライン)には、離婚した元妻ロビー(クリスティン・スコット=トーマス)に引き取られた16歳になる息子サム(ヘイデン・クリステンセン)がいる。
ある日、ジョージは勤めていた職場を解雇され、時を同じくして自分が癌で余命が数ヶ月だと知らされる。残された時間を、反抗期で折り合いが悪いサムとともに、今の家を建て直そうと思い立つジョージ。なかなか心を開こうとしない息子との、絆を取り戻すための家造りが始まる――

原題は“人生、家の如し”とでも訳したらいいか。主人公が家を建て直すというのは、つまり崩壊してしまった愛する家族を再生させることでもある。自分が生きてきた証として目に見える形で残せる物は家だった。そして、荒んでしまった息子の心に、父親として残せるものが何かを考えた時、息子と過ごすことが何よりも大事だと気づく。
劇中、繰り返しハグという行為を用いて、肌の触れ合いの大切さを説いていく。ちょっと気恥ずかしくなるほどのヒューマニズムだが、ケヴィン・クラインが軽妙に演じているので、仰々しさや悲壮感はない。お涙頂戴の演出は抑えていたが、最後はやはり涙してしまった。

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サムを演じたヘイデン・クリステンセンがとても良い。経済的には恵まれた家庭なのに、どうすることもできない孤独や居場所のなさから、ドラッグやシンナーに逃げているが、根は悪い子ではない。この性根の善さを感じさせるところがポイントで、彼の役作りが正しかったので、僕はこの映画に共感できたと思う。

海辺の風景がすごく綺麗で、あんな所で暮らせたらどんなにいいだろうって思っちゃうほど。
次第にみんなが家造りを手伝い始めたりして、ちょっと出来すぎな部分も感じなくはないが、「感動させるぞー」っていう企画だけに終わらずに、上手に肉付けしてあると思えた。

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