バーティカル・リミット
Vertical Limit
- 2000 / アメリカ
- 監督
- Martin Campbell
- 出演
- Chris O'Donnell
- Robin Tunney
- Bill Paxton
- Scott Glenn
- Izabella Scorupco
- Nicholas Lea
- Robert Taylor
タイトルは“高度限界”という意味。高所恐怖症の人には卒倒ものの作品だ。
登山家を父に持つピーター・ギャレット（クリス・オドネル）と妹のアニー（ロビン・タニー）は、ロッククライミング中に事故で父を亡くす。それから3年後、アニーは登山家としてテキサスの実業家エリオット・ボーン（ビル・パクストン）が企画したK2登山隊に参加していた。ピーターは事故以来、登山から離れていたが、仕事でアニーのいるベースキャンプに立ち寄る。翌朝、K2登頂が開始されたが、天候が悪化し雪崩に巻き込まれてしまう。アニーはボーンらとクレバスに閉じこめられ、ピーターは救助に向かうことを決意する――
もう、ここからはアクシデントの連続。強風の中、断崖にヘリを寄せ、山に降り立つだけでも一苦労。ほんの少しの不注意で滑落して、絶壁に宙ぶらりん。助けを待つほうだって空気は薄いわ、水はないわで36時間すれば肺水腫で死ぬというのに「そんな体力を消耗しそうなことしないでー」って感じ。何がおかしいってニトログリセリンを背中に担ぐなんて、あり得る？ あれもこれも詰め込みすぎて、見ていて具合が悪くなりそうだった。
設定に隙があり過ぎな上に、ドラマの部分も弱い。スコット・グレン演じるウィックとボーンの対決はいまいち突っ込みが甘いし、助かるのが結局美女二人とピーターだけとは「さすがハリウッド。何人犠牲にするんだ！」とケチをつけたくなる。のっけから墜落事故ってところからして、かなり《クリフハンガー》とカブるんだけど（標高はさらに4,000m高い）、まぁひとまず、まるで自分が標高8,000mにいる気分にさせてくれるので、スリリングでダイナミックな映像をジェットコースター感覚で楽しめばいいだろう。