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恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ

The Fabulous Baker Boys

1989 / アメリカ
監督
Steven Kloves
出演
Jeff Bridges
Michelle Pfeiffer
Beau Bridges
Ellie Raab

フランク(ボー・ブリッジズ)とジャック(ジェフ・ブリッジズ)のベイカー兄弟はピアノデュオとして15年活動してきたが、近頃仕事が減り落ち目に差し掛かっていた。そこで心機一転、ボーカルを募集することに。オーディションの最後に遅刻して現れたのがスージー・ダイアモンド(ミシェル・ファイファー)。彼女が加わり、仕事は徐々に軌道に乗り始めるのだが、兄のマネージメントと弟の仕事への姿勢が食い違い、スージーは脱退していく――

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冒頭からみなさんの予想通り、ジャックとスージーは恋に落ちて、それが兄弟に微妙な亀裂を生む。ドラマの展開はチープなんだけど、出てくる人たちがなんか魅力的なのだ。才能がありながら、目的もなく怠惰な日常を繰り返すジャック。演じるジェフ・ブリッジズはあまり華のある俳優とは思えないが、天才気質で拗ね者だけれど、犬と少女の面倒を見る優しい一面もよく出ていて、ちょっとキザすぎるくらいキマっている。兄フランクは日本人受けしそうな役どころ。プライドを犠牲にしてでも家族を守ろうとするマイホーム・パパは共感する人も多いはず。

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そして、スージーがまた素敵なこと。ミシェル・ファイファーはボーカル・トレーニングを積んだらしいが、はっきり言って巧くはない。だが見せ方が抜群なのだ。有名なピアノの上で歌う『メイキン・ウーピー』もそうだが、歌というものは時として雰囲気が大きく作用する。どんなに歌が巧くても雰囲気のない人はダメ。逞しく生きてきたようで頼りなくもあり、何よりセクシーで、まさに“いい女”という言葉がピッタリだ。

しばらく恋愛から遠ざかっている人は、見れば少しは渇いた心が潤うんじゃないだろうか。それにしてもピアノを弾く男ってセクシーだね。撮り方のせい? それともジェフ・ブリッジズだから? 僕ももう一度習ってみようかな。

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