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アメリカン・ビューティー

American Beauty

1999 / アメリカ
監督
Sam Mendes
出演
Kevin Spacey
Annette Bening
Thora Birch
Wes Bentley
Mena Suvari
Peter Gallagher
Allison Janney
Chris Cooper

お互いに関心の薄い家族が崩壊していく様をブラック・ジョークを交えて描く。

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レスター・バーナム(ケビン・スペイシー)はセックスレスで42歳の中年男。妻のキャロリン(アネット・ベニング)は家庭に仕事にいつでも欲求不満、容姿にコンプレックスを持つ娘ジェーン(ソーラ・バーチ)は豊胸手術が現在の願いで、父とはろくに口もきかない。近所にはゲイのカップル、それを毛嫌いする元軍人フィッツ(クリス・クーパー)一家が越してきた。無味乾燥の日々を送っていたレスターだが、娘の友達アンジェラ(ミーナ・スバーリ)を見た瞬間、彼の中で異変が起こった――

1999年のアカデミー作品賞受賞作だが、全然面白くなかった。
風呂場でマスターベーションしている主人公の登場シーン。行為そのものが滑稽なのか、“This will be the high point of my day.(これが1日で最高の時)”という台詞にペーソスを感じるべきなのか、クスリともできなかった。こういうの、アメリカの映画館なら大爆笑なのだろうか。
不可解なことも多い。まずレスターが娘の友達をモチベーションに自分を変えていこうとするのが、いかにも唐突。隣に移り住んできたストーカーまがいの青年リッキー(ウェス・ベントレー)の心理も最後まで理解できない。マリワナの売人をやり、美しいと感じる物をビデオに収める。父親への反発やティーンエイジャー特有の情緒不安定なのだろうが、ただただ薄気味悪い。リッキーの母親の存在も意図不明。

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何よりもいかがなものかと思ったのが、ゲイを強く否定していた元軍人が、ホモ・セクシャルが原因で息子を失い自己崩壊し、主人公を殺すという結末。後味悪すぎ。
それがアメリカの現実とは思えないし、マイノリティを悪役にして締め括っては、それが悪だと言っているように感じた。

俳優陣は軒並み好演。とくにアネット・ベニングは痛々しい感じが良かった。ミュージカル・ナンバーが好きだという設定が笑える。

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