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鳩の翼

The Wings of the Dove

1997 / イギリス
監督
Iain Softley
出演
Helena Bonham Carter
Linus Roache
Alison Elliott
Charlotte Rampling
Alex Jennings
Michael Gambon
Elizabeth McGovern

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舞台は20世紀初頭のロンドン。貴族の母と貧しい生まれの父を持つケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)は、母の死後、伯母の家に引き取られる。
ジャーナリストのマートン(ライナス・ローチ)との交際を伯母に禁じられ思い悩む日々だったが、裕福なアメリカ娘のミリー(アリソン・エリオット)と出会い親しくなる。ミリーは重病で死期が近かったが、マートンに好意を持っていることを知り、ケイトはある企みを胸にミリーとともにベニスへ旅行に出かける――

ベニスにマートンを呼び寄せ、遺産目当てにミニーを誘惑させようとするが、いい雰囲気の二人を見ると耐えられなくなり、マートンの愛を確認せずにはいられないケイト。したたかな策略と複雑な女心を見事に演じるボナム=カーターは圧巻。
原作では主人公であるミニーを演じるアリソン・エリオットも登場から光り輝く存在感だ。ケイトとアリソンが戯れるシーンは、一種同性愛的なムードを感じるほど。
二人の女性に愛されるライナス・ローチは、マートンのキャラクターが曖昧で損をしているが、色気があって良い。

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交わす言葉がとても大人だし、嫉妬に狂うケイトの心情、裏切りを知ってもなお寛大なミニーなど、作品全体としては僕には理解に苦しむところは多かったけれど、金ではなく心を求めたマートンの気持ちは多少なりとも理解できる気がした。のめり込める作品ではなかったが、心が渇いてる時に見るともっと感じるかも知れない。

それにしてもヴェネツィアの風景には心惹かれるね。カルネヴァーレやゴンドラが旅情に誘う。それと(僕はあまり興味はないのだが)女性たちの豪華な衣装も見もの。
原作はヘンリー・ジェームズの同名小説。

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