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アンナ・マデリーナ

Anna Magdalena / 安娜瑪德蓮娜

1998 / 香港
監督
奚仲文 (Hai Chung-Man)
出演
金城武 (Kaneshiro Takeshi)
陳慧琳 (Kelly Chen)
郭富城 (Aaron Kwok)
袁詠儀 (Anita Yuen)
張國榮 (Leslie Cheung)

ピアノの調律師をしているチャン・ガーフ(金城武)は、仕事先で出会った自称小説家でギャンブル好きのヤウ・モッヤン(アーロン・クォック)を居候させることになる。しばらくして同じマンションの上の階に勝ち気で美人のモク・マンイー(ケリー・チャン)が越してきて、ガーフは彼女に一目惚れをする。モッヤンはつたないピアノを弾き続けるマンイーといがみ合っていたが、二人はいつしか恋仲になり、やがてモッヤンは彼女の部屋に移って行った。ガーフは伝えきれなかった想いを小説に込めるのだった――

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ほろ苦い映画だった。タイトルは、バッハの名曲『メヌエット』のこと。バッハが奥さんに宛てたラブ・ソングなのだそうだ。
作品からは大きく2つのことが見えてくる。まずは「好き」と伝えたい恋心の切なさ。中でも切ないのが、マンイーがモッヤンに好意を持ったきっかけをガーフに話す場面。自らと同じシチュエーションで恋に落ち、初手からベクトルが向いていないことを知らされるなんて、やるせなすぎる。

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そして、モッヤンとガーフの生き様の違い。平凡でどこにでもいる内気な男と、型破りでいい加減だけど誰からも愛される男。
ガーフが「世の中はねじけてる」「世の中っておかしいよ」って口にする。仕事も住む所もあって、人並みの安定はあるのに、どうして皆モッヤンに惹かれるの?という思い。憧れもあるのかも知れないし、僕はそんなちょっと卑屈な彼の気持ちがわかる気がした。

全部で四部構成になっていて、最後のパートはガーフの小説を映像化してある。ここ(第四楽章)の好き嫌いは分かれるだろう。奇抜なのはわかるが、長くてちょっと退屈。僕はあまり好きではない。
日本でも知名度が上がってきた金城武だが、日本のテレビドラマで見た時よりも中国語で演じるほうが遙かに良い。脇役(友情出演)も豪華。

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