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2000-12-20 (Wed)

サウダージ

近頃、気になる言葉――Saudade
そう、ポルノグラフィティの歌のタイトルにもなっている“サウダージ”です。
ポルトガル語で「懐かしさ」とか「郷愁」を意味するブラジル独特の言葉なんだそうですが、どうもそれだけじゃ伝わらない、もっと深い多面的な意味を持ってるいらしいのです。たとえば、遠く故郷を離れた人が、残してきた家族や恋人を懐かしく思うことも“Saudade”だし、昔は良かった・・・なんて振り返るのも“Saudade”なのだとか。英語の“Miss”に近いのかな?

この前書いた東北弁の“えんずい”もそうだけど、暮らしや文化に根付いた言葉というのは、そこで使っている人にしか、その言葉の持っている味わいとかニュアンスを、完全には理解できないのかも知れません。
含意・・・英語で“Connotation”って言うのかな? その単語の成り立ちとか、使われてきた経緯とか、そういったものを肌で知っているからこそ理解できるんでしょうね、きっと。

そういう言葉って結構ありますよね。
フランス語の“Esprit”なんて「精神」とか「魂」、はたまた「センス」なんて訳しますけど、絶対にフランス人が意味する全部を伝えられてはいないと思います。

逆に日本語にも、外国人にはニュアンスを伝えられないこともあるでしょう。
たとえば、今思いついたのは「粋な」とか「乙な」なんて言葉。僕らは、なんとなく毛穴で理解しているつもりですが、外国の人に説明するのは難しい。もっと言うと、たとえば昔から言う「侘び寂び」なんてのは、日本人でもちゃんと理解して使えている人は少ないんじゃないでしょうか。僕もいまいち・・・。

あ、ふと思ったんだけど、「侘び寂び」と“Saudade”って近くないないですか? 使われるシチュエーションは全然違うけど。でもちょっと違うか。

 

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